御殿場駅でバスに乗り、約1時間後、須走ルート五合目の登山口に到着しました。
富士山の五合目というと、たくさんの売店や飲食店があり、 一大観光地となっているイメージがありましたが、 それは一番メジャーな登山ルートの吉田口五合目で、須走口は少し質素な感じでした。
収集した情報によると五合目で1時間から2時間ほど休憩し、 体を高地に慣らしたほうがよいとのことだったので、 1時間ほど観光地価格の高価なコーヒーで休憩をとり、 登山を開始することにしました。
この須走ルートの魅力は途中まで森林浴を楽しみながら登山ができるところでしょう。 刻々と変わる植生を眺めながら登山をすることで、 富士山が持つ自然を体感することができます。
森林限界を超えたあたりから荒涼とした大地が一面に広がり、 これまでの緑に覆われた空間から砂と岩だらけの殺伐とした空感に様変わりしました。 これまでのハイキング的な雰囲気の登山道から打って変わって本格的な登山道が始まる気配が漂い始めます。
新六合目まで来たところで途中の山小屋で休憩することにします。 空気は少し薄くなったような気がしましたが、 体力にはまだまだ余裕があり、頂上が近づくにつれ、 気力の高まりを感じることができました。 持ってきた軽食を取りつつ、装備を確認し、 本六号目を目指すことにします。
本六号目の手前あたりから、 天気が目まぐるしく変わるようになってきました。 晴れと曇りが交互に入れ替わり、 酷いときには前を歩く人の姿がよく見えなくなるときもありました 。
また、既に雲と同じ高さまで登ってきているため、 雲が自分の下から這い上がってくる不思議な光景を目にすることも ありました。
本6合目の山小屋についたときには周りの人達にも少し疲れが出てきていました。
それでも、バイクでの超長距離ツーリングより気分は楽でした。 なぜなら数百キロ先のゴールを見ることはできませんが、富士山の頂上なら目の前にゴールが見えているのですから。
長くなるので「その2」に続きます。