今さら15年近く前のバイクをレビューするというのも面白味はないですが、納車されてから一年経った節目にXR230のちょっとした簡易レビューをしてみたいと思います。
■スタイリング
モトクロッサーのCRFシリーズを彷彿とさせるファイティングレッドの外装は文句なしのカッコ良さです。ヘッドライト周りが少し古臭いという意見もありますが、オフロードバイクにゴテゴテした装飾は不要ですし、シンプルなデザインこそオフロードバイクにとって至高だと思います。
■走行性能
XR230の最大出力は18馬力と最近の250クラスのバイクに比べると圧倒的に非力です。ただ、同クラスのオンロードバイクに比べ、車重が一回り軽くハンドルの切角も大きいため街中での取り回しは最高です。この一年で関東近郊の林道から北海道まで様々な場所にツーリングに行きましたが不足を感じる場面はありませんでした。
ただ、高速道路を走ることは全くもってオススメ出来ません。高速道路を快適に巡航するほどのパワーはなく、乗車姿勢もバイクに直立した姿勢になるため、高速域ではかなりの苦痛を強いられます。購入した当初からETCが付いていましたが全く使わないため、いずれ外してしまおうかと考えています。
空冷・キャブ・単気筒という原始時代レベルの構成によりメンテナンスは容易です。ただこのシンプルな構成のお陰か、少しばかり振動が多く、ホンダらしくない荒っぽい乗り味な気がします。友人のYZF-R25を試乗させてもらった時には、あまりのエンジンのスムーズさと振動の少なさに感動すら覚えました。そもそも15年近く前のバイクと最近のバイクを比べるのはナンセンスですが、XR230のベースとなったSL230は1997年に発売されていることから設計の古さは否めません。
またキャブ車ということで5〜10分程度は暖気をしなくてはならず、暖気後もアイドリングが安定しないなど現代のインジェクション車にはない不便さがあるというのも事実です。原付ですら付いている燃料計がないというのも今ひとつです。
■総評
「ホンダが作ったセロー」と呼ばれたSL230の後継機ということで非常に乗りやすいバイクだと思います。XR230に乗り換えたことで得られた何よりも大きな収穫は、どこにでも行けるという自由さを手に入れられたことです。今まで乗ってきたオンロードバイクでは躊躇していた道もオフロードバイクなら心配せずに進んで行くことが出来ます。
燃費も平均してリッター34kmでタイヤや消耗品も比較的安く、取っつきやすい性格のバイクであるため、長い付き合いになりそうな一台だと思います。
(おしまい)